ロウバジェット

南海とは

VHSの話題を中心とした、VHSサイズの雑誌です。
2014年創刊。現在までに4号を刊行しています。

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南海 第4号 特集「ペテン師グラインドハウス/バート・レイノルズのB面」

2018年12月発行 発売中 1,000円+税
表紙デザイン=佐野淳子

Contents

[インタビュー]「ロボポリス宣伝指令! JAVN作品配給・宣伝奮闘記」  岡村尚人(宣伝プロデューサー、元メイジャー宣伝部)+江口 浩(フィルム・アーキヴィスト、元JAVN)
[寄稿]新宿ピカデリー3に思い入れはないが……  中原昌也
ビデオでみるバート・レイノルズ  小坂裕司(Kプラス/ビデオ博物館)
[作品ガイド]レンタル落ちVHSと輸入DVDでめぐるバート・レイノルズのB面ツアー
[作品評]ラスト・ムービー・スター 現在進行形の映画スター、バート・レイノルズ  Murderous Ink(映画批評/映像史)
[エッセイ+追悼文]あこがれのヒーローとついに巡り合う。そして訪れる、つらいお別れ。  アダム・リフキン(『The Last Movie Star』監督) 訳=川原理世
[論考]「重力」としての映画音楽 フリードキン版『恐怖の報酬』の魔的なる音楽使用法」  後藤護(暗黒批評)
[コラム]『恐怖の報酬』テレビ版カットについて  山村英己

内容紹介

今回の特集は2本立て。 ひとつは「ペテン師グラインドハウスにダマされたい!」と題して、80年代末にエクスプロイテーション映画の最底辺ともいえる『ロボポリス』などを2本立てで上映したチェーン、プラットフォーム・シアターを取り上げます。
もうひとつは「底なし映画俳優 バート・レイノルズのB面」と題して、2018年9月にこの世を去ったタフガイの後半戦を、レンタル落ちVHSと輸入DVDでたどります。また彼の最晩年の傑作『The Last Movie Star』を監督自身のエッセイとレビューで紹介します。
このほか、2018年11月にオリジナル完全版が日本公開されたウィリアム・フリードキン監督『恐怖の報酬』についての論考なども収録。

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南海 第3号 特集「続編大爆発」

2016年4月発行 発売中 1,000円+税

Contents

続編がはじまるとき、おわるとき〜ユニバーサルの「フランケンシュタイン」にみる続編の寿命  Murderous Ink
続編という名の恐るべき挑戦  岩本克也
トーク! 現代ハリウッド続編地獄  畔柳恵輔
[リポート]そこにはビデオ屋さんがあった〜ドキュメント・小坂裕司さんによる「閉店作業」 [グラビア]続編VHS図鑑 [コラム]続編をめぐるはてしない妄想  桜井雄一郎

内容紹介

いまハリウッドから、人気映画の続編が次々に公開されている。『ブレードランナー2』『グレムリン3』『アバター2』など、今後もいくつもの続編の噂があり、ますますこの傾向に拍車がかかりそうだ。続編は、正編と比較して語られる宿命にある。リメイクのひとつだという見かたもあるくらい、生まれながらの亜流であり、どこか偽物っぽさもある。俳優の変更や、現実と物語内での時間経過のギャップから、映画の虚構性が露出することがある。正続で映像のタッチが変われば、地続きの世界を期待する観客を戸惑わせるかもしれない。映画が「バレる」瞬間だ。しかしその瞬間にこそ、映画が顔をのぞかせる。タイトルで「続」「2」などとうたわれながら正編とまったく無関係な映画や、正編とうたわれながら実は別の映画の続編である映画などが多数存在し、映画の怪しさをムンムンとただよわせている。映画産業の行き詰まりとか、ヒット作の二番煎じだとかの批判は、まちがってはいないだろう。しかしもう聞き飽きた。そのさきにある続編映画の魅力を、ここから語り始めよう。おもな筆者=Murderous Ink、岩本克也、畔柳恵輔、小坂裕司

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南海 第2号 特集「家で映画を観ること」

2015年1月発行 在庫なし

Contents

allcinema SELECTION
寝ても覚めても作品のことを  岩本克也
解禁! ソフトづくりの裏話 全作品エピソード
HIGH-BURN VIDEO
こんな、よくわからないものを出すのはおれたちが最後〜HIGH-BURN VIDEO に聞きました
HIGH-BURN VIDEOのデザイン

映画の深い森へ SOVとVシネマ
洋画篇│SOV ビデオ撮り映画を観てみよう
邦画篇│ビデオとフィルムとVシネマ史  高鳥都

ビデオのケースがなくなる日 ビデオの深~い話スペシャル❶ 「ケース」 ビデオ博物館 小坂裕司さんに聞く

[付録]映画とポスター『ハッピーアイランド』 [付録]ビデオジャケット・アーカイヴ [付録]HIGH-BURN VIDEO 『グラインドハウス予告編集Vol. 1』収録作品一覧

内容紹介

二〇一四年八月三一日、都内のある名画座が閉館した。新橋駅のガード下に位置する新橋文化劇場と、隣接する新橋ロマン劇場。どちらも、こだわりを感じさせる番組と、昭和の面影をはっきりと残した館内がユニークな名画座だった。二〇一二年に浅草の名画座がいっきに閉館したのに続いて、蝋燭の火がまたひとつ消えていくのを見るようだった。テレビの番組表を見れば、一部のチャンネルをのぞいては、話題作か、新作映画のプロモーションとして過去の関連作品がポツポツと放映される程度。毎日のようにどこかの放送局で映画がかかっていた時代と比べると、テレビの映画劇場で「たまたま」知らない映画を目撃し、心に映画の芽を植えつけられるような機会は減っている。名画座にせよ、テレビの映画劇場にせよ、顔こそ見えないが誰かが映画を選び、送り出している。その送り手の存在を感じるからこそ観客は熱狂し、信頼できる送り手にはとことんまで付き合う。そんな「場」として名画座やテレビが後退していくなか、重要性が増しているのが、映画を送り出すビデオソフト・レーベルの存在だ。allcinema SELECTIONは、映画データベース・サイト「allcinema」から生まれたレーベルだ。テレビ放映時の日本語吹替やオーディオ・コメンタリー、複数バージョンの収録など、DVD、ブルーレイの性能を最大限に活かしたソフトづくりに取り組んでいる。比較的知名度のある映画から知る人ぞ知る映画まで、ハリウッド映画からヨーロッパ映画まで、どの作品にも手厚く「究極仕様」を施し、送り出す。そのラインナップが充実していく様は、時の経過とともに評価や権威で固められた作品を、おなじ高さのひとつの棚に整列させていくような心地よさがある。その根底には、あらゆる映画の情報へ等しくアクセスできる「allcinema」の思想が息づいている。HIGH-BURN VIDEOは「完全日本未公開作品」のリリースを謳う二人組のレーベルだ。現在までに三タイトルのリリースとは言え、彼ら自身が手がけるDVDジャケットや映画チラシのデザイン・ワークをとおしてレーベルのイメージを強力に打ち出すことに成功している。新作の『快楽殺人トリプル5』はインディペンデントならではの破壊力を持った一本で、観る者の価値観を揺さぶる挑発的な姿勢を鮮明にした。どちらのレーベルにも共通するのは「この映画を観ろ!」という送り手の強い意志である。熱心な受け手はそれを手がかりに、より深く森のなかへと入っていく。送り手と受け手が交差する、「場」としてのレーベルから目が離せない。おもな筆者=岩本克也、HIGH-BURN VIDEO、高鳥都、小坂裕司

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南海 第1号 特集「VHSの現在」

2014年8月発行 在庫なし

Contents

『VHSテープを巻き戻せ!』〜新たなビデオ革命は、この映画から「再生」する
ジョシュ・ジョンソン監督への12の質問[インタビュー]
知られざるカバー・アートの職人たち ❶ビル・モリソン ❷スティーブ・コーニー、キース・バチェラー、コーリー・ウルフ
本編に登場するフッテージ一覧、登場人物一覧

知っていますか? VHSのアーカイブ・ビデオ博物館
これが定番! お宝ビデオの世界
観たい人がひとりでもいれば、とっておきたい〜ビデオ博物館 小坂裕司さん [インタビュー]
ビデオの深〜い話 ❶VHSは壊れない ❷ケースもいろいろ
超レアVHS×21選

内容紹介

VHSは1976年に日本ビクターが開発に成功した、家庭用ビデオの規格だ。当初の最も重要な機能は、テレビを録画し、好きなときに観ることができる、いわゆる 「タイムシフト」 。1977年には、アンドレ・ブレイのマグネティック・ビデオ社が、はじめて映画作品をビデオに記録して販売する事業を開始。日本ではしばらく輸入ビデオしか観ることができなかったが、1983年にレンタルビデオシステムが整備されると、日本語字幕の入った外国映画ソフトが各社から発売される。VHSは、先に開発されたソニーのベータ規格とのシェア競争に勝利し、1990年代末にDVDにその座を奪われるまでビデオの代名詞となる。レンタルビデオはライフスタイルとして流行し、プレーヤーは爆発的に普及した。バブル状態を迎えたビデオ市場にはもともと映画とはかかわりのないさまざまな企業が参入し、自社作品のビデオ発売に慎重な邦画各社を尻目に外国映画のビデオ化権を見境なく買い付けた。流行のただなかにあるように見えた1987年頃には、レンタル料金の過当競争によって廃業に追い込まれる小規模店が出始める。熱狂は次第に落ち着きを見せ、1989年、連続幼女誘拐殺人事件発覚後に起こったホラージャンルのビデオへの社会的バッシングが追い打ちとなり日本でのブームは終わりを迎える。VHSの登場から40年近くが経とうとしているいま、ビデオ世代の映画ファンは、自分たちが体験したビデオ革命がいったいなんであったのかを振り返り始めた。ビデオ・ネイティブの若い世代のなかには、クールなものとしてのビデオに新しく目覚める者がいる。ネットオークションなどの中古市場でVHSは熱心に取り引きされ、ビデオに関する書籍が作られ、イベントが開催されている。しかしそこにあるのは、過去に経験したような新しいメデイアに対するよろこびと期待による興奮ではない。失われつつあるとわかりながら、むしろ、そうであるからこそ、いまこそしっかり見ておこうという熱だ。映画 『VHSテープを巻き戻せ!』 とビデオ博物館の活動は、その熱を少なからぬ人々が共有しているという事実を伝えてくれる。